
極付幡随長兵衛
「人は一代、名は末代」。 侠客の元祖幡随院長兵衛が、男の意気地を貫く覚悟で死地に赴く。

勧進帳
関所を通ることはできるか、できないか。 逃げる者と調べる者の緊張感にあふれた攻防。 主君を生きのびさせるため、家来が選んだ道は。

伊賀越道中双六~沼津
幼いとき生き別れた実の息子に、 たまたま巡り合った老父が命を捨てての頼みごと。

菅原伝授手習鑑
天神様として敬愛される菅原道真公。描かれるのは道真公と、その家来の三つ子たちの、三つの親子の別れ。

東海道四谷怪談
ブームのお化け屋敷より怖いけれど、 哀れで無惨(むざん)な欲と愛の物語。

芦屋道満大内鑑~葛の葉
愛しい子を捨て、「恋しくば尋ねきてみよ」の歌を残して消えた女房は、実は狐の化身だった…

妹背山婦女庭訓
この世の恋は来世に託して…。 政変のはざまで生まれたいくつもの恋のゆくえ。

籠釣瓶花街酔醒
花の吉原に咲き誇る、桜の花と花魁の華。その美しさに溺れた次郎左衛門は醜いながら素直な心。しかし冷たい愛想尽かしが、刀の妖しい光を招き寄せる。

毛抜
お家騒動のさなかに登場した色好みの名探偵の推理が冴える。

天衣紛上野初花~河内山と直侍
狡猾な悪党か弱者の味方か?どこか憎めぬ河内山宗俊が、わがまま大名をやりこめる。御家人くずれの直侍(なおざむらい)は江戸から逃げるその前に、恋人にひと目逢おうと雪夜を急ぐ。

倭仮名在原系図~蘭平物狂
心ならずも刃を交わすことになってしまった親子。忠と孝とに責められつつ、繰り広げる大乱闘。

元禄忠臣蔵
“人はただ初一念を忘れるな”。その快挙を成し得たものは、大石内蔵助の固い信念にほかならぬ。そしてそれを支え見守った、多くの人たちが居た。

鎌倉三代記
北条時政討ってみしょう 男のためなら父をも殺そう 赤姫の恋はいつも盲目

土蜘
英雄源頼光(らいこう)に襲いかかる諸国行脚の僧。 その正体は影に現れて!!

壇浦兜軍記~阿古屋
いくら責められても、阿古屋(あこや)は恋しい夫景清の行方を告げない。豪華絢爛、満艦飾に着飾った花魁が、夫の行方を思いながら一心不乱に奏でる三曲の音色。

鬼一法眼三略巻
平家全盛の世にあって、源氏再興を秘かに願う者たちの、飽くなき 戦いがここに。主従・親子・兄弟・夫婦が心を合わせて切り拓く、 平家討伐への熱き道のり。

三社祭
しなやかに躍動する海の男の筋肉! 踊って踊って踊り抜く、好敵手(ライバル)の競い合い。

心中天網島~河庄・紙屋内
妻子持ちの男の一途な恋、 女房への義理と金に詰まった治兵衛と小春が選んだ道は…。

仮名手本忠臣蔵
輝かしい敵討ち達成の陰で流された、数多くの血と涙。 史実を凌ぐドラマが胸に迫る歌舞伎の最高傑作!

双蝶々曲輪日記〜引窓
心ならずも人を殺してしまった関取濡髪(ぬれがみ)が、母に一目会いたいと忍んでくる。しかし母には義理の息子がいた。 名月の一夜、心に染みる家族の物語。

近江源氏先陣館~盛綱陣屋
戦場で心ならずも敵同士となった兄と弟。兄は弟を案じ、弟は子を犠牲にしてまでも再起を図り、母は兄弟の板ばさみに苦悶する。 戦のために引き裂かれる家族の悲劇。

二人椀久
あなたに夢で逢えたなら、嬉しい心と心を添わせ、ふたりで踊ろう。 恋に生き、恋に狂った優男が見る夢の世界。

京鹿子娘道成寺
恋する娘心の万華鏡。 恋はいつだって嬉しくて、そして切ない。

連獅子
獅子の厳しい英才教育。 父は子をけわしい谷底へ蹴落とす。 深い愛を胸に秘めて…。

鷺娘
この思いは誰にも消すことはできない。 たとえ地獄の責め苦を受けようとも…。

操り三番叟
マリオネットが舞い踊る五穀豊穣の舞。 俳優が操り人形になりきる究極の物まね芸。

廓文章〜吉田屋
大坂の究極のぼんぼん伊左衛門と廓きってのスター 夕霧太夫、ビッグカップルが織りなす口舌(くぜつ)。 口舌とは恋人たちの口喧嘩のこと。

隅田川続俤~法界坊
悪い奴だが憎めない、悪と愛嬌の裏表。したい放題やり放題、揚句の果てにゃ化けて出る。なぜか人気の法界坊。

盟三五大切
だましだまされ~揚句は凄惨な殺しの悲劇。男と女、忠義と金。 「忠臣蔵」と「四谷怪談」を背景に、人間の深部を鋭く描く異色作。

天守物語
お城の天守に棲む妖かしの姫が知る、千歳百歳にただ一度、たった一度の恋。

名月八幡祭
恋に奔放な羽織芸者と、純朴な越後の縮売り 夕立のなか、似合わぬ二人に惨劇が起きる

国性爺合戦
「父は唐土(もろこし)、母は日本」両国の間に生まれた熱血漢 和藤内(わとうない)が、異国の地で大活躍。

源平布引滝~義賢最期・実盛物語
平家全盛の世に、次第に追い詰められる源氏の木曽義賢。孤独な戦いの末に壮絶な最期を遂げるが、義賢から源氏の白旗を託された女の腕が奇跡を引き起こす。

ひらかな盛衰記~源太勘当・逆櫓・神崎揚屋
恋に生きた源太と千鳥、忠義を貫いた英雄樋口次郎。 二つのエピソードで描く源平合戦の世界。

ヤマトタケル
壮大なスケールで描く“天翔る心”

鳥辺山心中
江戸の一本気な若侍と京の初心な遊女の清烈な恋の行方は…。 大正ロマンの香りを色濃く漂わせる新歌舞伎の名作。

神明恵和合取組~め組の喧嘩
火事と喧嘩は江戸の華、鳶と力士は江戸の意気 粋でいなせな喧嘩で見せる江戸風俗の競い合い

摂州合邦辻
その恋は真実なのか うら若き継母は、闇夜にまぎれ、ひたすら義理の息子のあとを追う

頼朝の死
父が死んだ。どうして死んだのか誰も教えてくれない。 事実を知りたいと苦しむ息子に、 母は厳しい言葉を言い放つ。

修禅寺物語
どうしても満足ゆく面ができない。 しかしそれは、彼の技が優れているがため。 モデルの死まで予見してしまった名人の物語。

忍夜恋曲者~将門
将門(まさかど)の娘滝夜叉姫(たきやしゃひめ)は妖術使いとなり、父に代わって天下を狙う。

彦山権現誓助剱~毛谷村
豊前国(ぶぜんのくに)の山村に暮らす「気は優しくて力持ち」の好青年の前に、突然、虚無僧すがたの怪力の女が現われた!

寿曽我対面
父を討たれて十八年の艱難辛苦。 敵(かたき)工藤と対面した兄と弟は・・・・・。

祇園祭礼信仰記〜金閣寺
天下と美女、両手に花をもくろむ謀反人。 その野望の前に立ちはだかる智将の人質救出作戦は成るか。 夫の危機に美女が見せる名画の奇瑞とは。

身替座禅
鬼より怖い山の神、それでも逢いたい花子さん。 悩める右京が思いついたことは…。

女殺油地獄
遊びの金につまった無軌道な若者 惨殺したのは町内の美しい人妻だった

色彩間苅豆~かさね
愛した人は、かつて母の恋人だった。 そして突然に、美しい顔が変わり果て…。 男と女の心のすれ違いに深い因果が絡む舞踊劇。

桜姫東文章
可憐な稚児と僧侶、やんごとなき姫君と盗賊。輪廻の糸にあらがう 二組の異色カップルを待ち受ける運命は・・・・・・。

矢の根
父の仇を討つために正月でも矢の根を研ぐ曽我五郎。力感あふれる荒事の様式美と洒落っ気で魅せる祝祭劇。

新版歌祭文~野崎村
純情な田舎娘お光と許嫁の久松。久松への叶わぬ恋に死ぬ覚悟のお染。若い三人のせつない恋の結末は…。

積恋雪関扉
雪の山中に咲きほこる満開の桜の下のファンタジー、 桜の精と天下を狙う謀反人が繰り広げる美しき戦い。

本朝廿四孝〜十種香・奥庭狐火
恋するお姫様はとまらない。 許婚(いいなずけ)そっくりな美少年に大胆告白。

義経千本桜
源平合戦の勝者が追われる身となり、敗者が復讐を誓う。 嵐の海に修羅、桜の吉野に情愛の、胸打つ義経の物語。

伊勢音頭恋寝刃
ものの弾みか、はたまた妖刀のなせるわざか。愛する男のために良かれと思った女の思惑が掛け違い、予期せぬ惨劇を呼ぶ。 仇花のような夏芝居。

新皿屋舗月雨暈~魚屋宗五郎
実直一途の魚屋宗五郎。妹が非道な手討ちにあったと知り、 酒をあおって殿様のもとへ。

絵本太功記~尼ケ崎閑居
夕顔棚のこなたより現われ出(いで)たる光秀の 竹槍の穂先が捉えたのは何者か・・・。

梅雨小袖昔八丈〜髪結新三
ほととぎす、初鰹、梅雨空・・・・・・。 季節感あふれる江戸下町の風物詩に 浮かび上る小町娘、小悪党、博徒の影。

冥途の飛脚~梅川忠兵衛
恋に溺れた男が、為替の大金に手を付けた。 二人で逃げて逃げて、落ちゆく先があの世とわかっていても。

紅葉狩
紅葉狩にでかけた戸隠山で出会ったやんごとなき姫の正体は…。 維茂(これもち)さん、気をつけて!

伽羅先代萩
大名家の奥御殿で繰り広げられる女たちの駆け引き、 そして裁きの場では男の対決。

平家女護島~俊寛
島流しにされた三人が待ち焦がれた赦免の知らせ。 だが、ひとり、俊寛の名だけなかった…。

黒塚
哀しみの果てに鬼となった女。その憂い、喜び、そして怒り。

与話情浮名横櫛
殺風景な木更津でうっかりハマった恋のため、 傷だらけにされた若旦那がたどる 悲哀にみちた遍歴の結末は……。

一谷嫩軍記~熊谷陣屋
父が戦場で選んだ厳しい道、 わが子を身替りにして、得られたものは……。

船弁慶
「静」の別れと「知盛」の怨みを一人だけで描く対照の妙

暫
罪なき人たちがピンチになった時、颯爽と現れるスーパーヒーロー。 元禄歌舞伎の楽しさを今に伝える痛快な一幕。

曽根崎心中
一途な恋ゆえの葛藤から心中へ。 太平の繁栄に浮かれる大坂の町で 「恋の手本」と謳われた愛の物語!

花街模様薊色縫~十六夜清心
寺を追われた所化の清心、心はひとつとすがる遊女十六夜。 やがて清き心も水に消え、巷(ちまた)に咲いた悪の華。 これも運命のいたずらか。

助六由縁江戸桜
劇場いっぱいに再現される江戸最大のアミューズメントパーク「吉原」。そこへ登場するは江戸一番の伊達男(だておとこ)、助六! あなたも江戸の住人になって見物しよう。

六歌仙容彩
「古今集」「百人一首」で知られた平安歌人のトップ6、 六歌仙の紅一点・小野小町をめぐる男たちの 時代と世話の恋模様。

梶原平三誉石切
名刀を介して通い合う、武士(もののふ)と父娘の心。 そして「敵方」の父娘の目の前で、勇者・梶原が見せる奇蹟……。

春興鏡獅子
江戸城大奥に獅子が出現!? 一人の俳優が”可憐な娘”と”勇壮な獅子の精”を踊り分ける。

鳴神
朝廷への恨みから竜神を封じ込め、雨を降らせなくした高僧鳴神上人(なるかみしょうにん)のもとに送り込まれた天下一の美女。鳴神上人を籠絡せんとする彼女の任務の首尾やいかに。

夏祭浪花鑑
悪い人でも舅(しゅうと)は親、許してくだんせ! 油照りする大坂・夏祭の宵宮におこった惨劇。 血と泥にまみれた殺し場に刺青が浮かび上がる!!

弁天娘女男白浪
呉服店に婚礼衣裳をあつらえに現れた美しい武家娘。 振袖の下に隠されたその正体は…。

三人吉三巴白浪
運命にあやつられる人々の花と闇。三人の吉三(きちさ)が魅せる見ごたえ豊かな人間ドラマ。

一本刀土俵入
夢破れ、無一文のままさすらう男が、宿場女郎と出会いその温情に救われる。やがて十年後に再会すると……。 日陰の人生を生きる男と女の哀しくも美しい物語。

番町皿屋敷
身分を越えた青年旗本と腰元の純愛。 家宝の皿を割ってまで男の愛を確かめた女の行く末は・・・・・・。

加賀見山旧錦絵
嫉妬と陰謀が渦巻く奥御殿で繰り広げられる、女たちの争い。