まつばめ 松羽目

舞台の背景に使われる松を描いた羽目板を松羽目といいます。能舞台をまねて正面に老松を描き、左右の袖には竹が描かれています。能舞台の鏡板(かがみいた)は常設ですが、歌舞伎では大道具の一部で、『勧進帳』や『素襖落』など、能や狂言をもとにした演目で使われます。そこから、それらの演目を「松羽目物」と呼ぶようになりました。(東功吾)

【写真】
『身替座禅』[左から]太郎冠者(中村又五郎)、奥方玉の井(市川左團次) 平成28年4月歌舞伎座