(文責 浅原恒男)
歌舞伎は特別な予備知識がなくても、充分に楽しめるものです。
あまり難しく考えず、素直でゆったりと観劇しているうちに、自然とその面白さと魅力が分かってくるのが理想です。
しかし、どのような芸術や文化も、その良さをより深く味わいたいと望むなら、その世界の約束事や歴史を知る方が楽しいのは確かです。歌舞伎の楽しさを知れば知るほど、自然にいろいろと知りたいと思うようなるでしょう。
歌舞伎は、戦国時代が終わり、世の中が平和になった17世紀初頭に庶民の中から生まれ、江戸時代三百年の歴史の中で、独自の発展をとげてきました。さらに、明治の文明開化から西洋文化と出会い、近代日本の歩みとともに、伝統の継承と新しい創造を重ねてきました。その間に、ほかの芸能にはない特質も蓄積されています。
この用語案内は、そうした歌舞伎の世界を、誰もがより深く楽しむための道標となるべく、開設しました。
解説はなるべく平易な文章で、かつ正確さを心がけました。
ご意見ご要望、ご質問などございましたら、ご遠慮なく事務局までメールにてお知らせください。
この用語案内は、各ジャンル毎に、大項目、中項目、小項目の三段階になっています。
これは個々の用語を羅列するだけでなく、その用語がそのジャンル全体の中でどのような意味を持っているのかをご理解いただけるよう配慮したためです。
たとえば「車鬢」という鬘(髪型)は、立役(男の役)の鬘の一種であり、荒事という役柄の扮装の一部です。そこで読者は「車鬢」という用語を調べるだけでもいいですし、さらに「立役の鬘」という中項目でほかにどんな種類の鬘があるのか、また「鬘」という大項目を読むことで歌舞伎の鬘の基礎知識と、「車鬢」が鬘全体の中でどんな意味と位置づけをもっているのかを、理解できるように構成されています。
上記のように、目次で大項目→中項目→小項目とたどっていくことも可能ですし、逆に、小項目→中項目→大項目と読み進めていくことも可能です。
また、検索窓から大項目・中項目・小項目の用語タイトルを検索することができます。この場合、タイトルに完全一致していなくとも、たとえば「役」「義」など、用語タイトルに含まれる文字で検索することも可能です。
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