ねんちゅうぎょうじとかぶき

年中行事と歌舞伎

日本は春夏秋冬がはっきりしていますので、一般社会でも季節毎の行事が盛んですが、特に芝居の世界では季節や時期による様々な決まりが出来上がっています。江戸時代の歌舞伎は十一月の顔見世興行から始まりました。顔見世から正月にかけては何といってもめでたく晴れがましい芝居が好まれ、春の御殿女中などの宿下がりの季節には、それをあてこんだ芝居が上演され、五月には人気の敵討物を上演し、クーラーなどない夏場には怪談物など、暑さを吹き飛ばすスリルとサスペンスに富んだ演目で観客を楽しませました。芝居で季節を感じる、その流れは現代にも続いています。(金田栄一) 【写真】 『寿曽我対面』[左から]喜瀬川亀鶴(中村梅丸)、化粧坂少将(中村児太郎)、小林妹舞鶴(中村魁春)、曽我五郎時致(中村橋之助)、曽我十郎祐成(片岡孝太郎)、大磯の虎(中村芝雀)、八幡三郎行氏(中村歌昇)、工藤左衛門祐経(中村梅玉)、近江小藤太成家(中村松江) 平成26年3月歌舞伎座

  1. 用語
  2. 演目の種類
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