『桜姫東文章』に登場する吉田家の重宝。都鳥といえば、在原業平の「名にし負わば いざ言問わむ都鳥 我が思う人はありやなしやと」の名歌が連想されるが、実はこの一巻には何が書いてあるのか、書か画かも台本には書かれていない。ともあれ、釣鐘権助(実は忍ぶの惣太)がこの一巻を盗み出し、そのため吉田家は没落してしまう。息女桜姫は、自分を襲った権助と夫婦になるが、一巻を盗んだ犯人が権助と知ると、ためらわずに権助を殺し、吉田家を再興する。『都鳥廓白浪』では、「都鳥の印」という印がお宝となっている。(前川文子)
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