きんぴらじょうるり 金平浄瑠璃

明暦の頃に江戸で大いに流行した江戸浄瑠璃で、源頼光の大江山酒呑童子退治を主題としていますが、四天王と呼ばれた家臣の渡辺綱、坂田金時、碓井貞光、卜部季武のほか、四天王の子の坂田金平(公平とも)らを登場させ、その並外れた豪傑ぶりが大いに評判を呼びました。金平浄瑠璃自体の人気は長く続きませんでしたが、この手法を取り入れた初代市川團十郎によって荒事が生まれ、この主題は『戻橋』などの舞踊劇に受け継がれています。またさらに様々な浄瑠璃の発展へとつながってゆきます。(金田栄一)

【写真】
『極付幡随長兵衛』村山座舞台喧嘩の場の劇中劇「公平法問諍(きんぴらほうもんあらそい)」の舞台。
[左から]坂田兵庫之介公平(中村又五郎)、慢容上人(嵐橘三郎)、伊予守頼義(中村児太郎)、御台柏の前(中村米吉) 平成29年9月歌舞伎座