大太鼓は歌舞伎の鳴物で最も重要な楽器です。歌舞伎の劇場は大太鼓だけは常備し、儀礼的な演奏でも主役をつとめます。構造は1本のケヤキかセンを横に切って内側をくり抜いて胴とし、両側に皮を張って鋲で留めるので、鋲打太鼓ともいいます。胴の長さによって平太鼓と長胴太鼓があります。皮は牛の皮です。撥で打ちますが、浪音、雨音、雪音、山おろし、ドロドロなど、撥の種類も奏法も実に多種多様です。(浅原恒男)
【写真】
大太鼓(提供:©宮本卯之助商店)
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大太鼓(提供:©宮本卯之助商店)