げいしゃ 芸者[役柄]

芸者という役柄は比較的後期に登場したものです。芸者はもともと男の職業で、江戸の中期以降に女性の職業として確立しましたが、それに伴って登場して来た新しい役柄といえます。江戸の下町を舞台にした『於染久松色読販(おそめひさまつうきなのよみうり)』に登場するのは芸者小糸、『八幡祭小望月賑(はちまんまつりよみやのにぎわい)』の美代吉は深川芸者、また祭を舞台にした歌舞伎舞踊には華を添える芸者衆が大勢登場し、時には手古舞姿も見せます。(金田栄一)

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【写真】
『盟三五大切』芸者妲妃の小万(中村時蔵) 平成20年11月歌舞伎座