くびじっけん 首実検

戦場で討ち取った敵方の首の真偽を大将みずからが確かめること。実検役は、敵の顔を見知る者がつとめる。『近江源氏先陣館』の「盛綱陣屋」では、大将である北条時政の面前で実検役の佐々木盛綱が、敵側についた弟高綱の首を確かめる場面が見せ場となっている。『一谷嫩軍記』の「熊谷陣屋」では義経の前に、熊谷直実が平敦盛の首を実検のため差し出す。これらが偽首であるところが、芝居のおもしろさ。(小宮暁子)

【写真左】
『近江源氏先陣館』盛綱陣屋 [上から]北條時政(中村歌六)、佐々木三郎兵衛盛綱(中村吉右衛門) 平成20年9月歌舞伎座

【写真右】
『菅原伝授手習鑑』寺子屋 舎人松王丸(松本幸四郎) 平成25年5月歌舞伎座