ぎだゆうきょうげん 義太夫狂言

義太夫節を使い本来人形浄瑠璃として上演されたものが、やがて歌舞伎に移され趣向が加味されて歌舞伎として定着した演目。重厚でドラマ性の高いものが多く、「歌舞伎の三大名作」と呼ばれる『菅原伝授手習鑑』『義経千本桜』『仮名手本忠臣蔵』はまさにその代表格で、数ある歌舞伎の中でも中心をなす重要な存在となっています。人形浄瑠璃と同じように、上手の床に座った義太夫の太夫の語りと三味線演奏が重要な役割を果たします。各演目の大筋は原作通りながら役者が演じることによって次第に工夫も凝らされ、入れ事(いれごと)と呼ばれる新たなせりふや場面が加えられることも多くあります。(金田栄一)

【写真】
『近江源氏先陣館』盛綱陣屋 平成20年9月歌舞伎座