『伽羅先代萩』や『祇園祭礼信仰記』には鼠が、『菅原伝授手習鑑』には牛が、『傾城反魂香』には虎が、『仮名手本忠臣蔵』には猪が重要な役割を持って登場します。『一谷嫩軍記』や『実盛物語』では人が乗る馬が大活躍します。一説には十二支に登場する動物は皆芝居に登場するとか。小さいものは小道具、大きなものは役者が着ぐるみに入って演じます。
十二支には入っていませんが、狐は人をだます術を持つとされ、『義経千本桜』や『芦屋道満大内鑑』には、狐の化身が主人公として登場しますし、『本朝廿四孝』では主人公が狐の霊力を借りています。蝦蟇(がま)も妖術を使うとされ、『将門』や『天竺徳兵衛』などに登場します。(前川文子)
十二支には入っていませんが、狐は人をだます術を持つとされ、『義経千本桜』や『芦屋道満大内鑑』には、狐の化身が主人公として登場しますし、『本朝廿四孝』では主人公が狐の霊力を借りています。蝦蟇(がま)も妖術を使うとされ、『将門』や『天竺徳兵衛』などに登場します。(前川文子)