せり セリ

舞台上の一部を四角く切り抜いて上げ下げさせ、建物や人物を登場させたり、引っ込めたりする昇降装置を「セリ」といいます。大きな劇場では大中小と、数種類あります。廻り舞台と同様に並木正三が考案したとされています。観客の見ている前で大きな楼門や御殿をセリ上(下)げたり、ポーズを決めた人物が舞台上へセリ出したり、逆に人物を舞台から消すためにセリ下げたりするのに用いられます。古くは滑車を用いるなどして人力で動かしていましたが、現代の劇場では電動になっています。花道に切り穴を設けた迫りはすっぽんと呼びます。(東功吾)

【写真】
舞台の大ゼリ・中ゼリ・小ゼリ(歌舞伎座)