歌舞伎特有の舞台機構で舞台に向かって左側(下手)にあり、舞台と同じ高さで、客席を貫く通路を花道といいます。18世紀はじめにでき上がったとされており、人物の登退場に用いる。人物が立ち止まって演技する舞台の一部でもあります。本舞台とは別の空間を表すこともあります。俳優が立ち止まるところを七三(しちさん)と呼び、舞台から三分、揚幕から七分のあたりです。江戸時代初期には揚幕から三分舞台から七分でしたが、劇場が大きくなって逆転しました。また、客席の上手側に仮花道が設置されることもあり、この場合下手側を本花道(ほんはなみち)と呼びます。両花道に大勢の登場人物が並び、客席越しに次々にせりふが飛び交う場面は圧巻です。(東功吾)
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舞台下手から花道と揚幕を見込む(歌舞伎座)
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舞台下手から花道と揚幕を見込む(歌舞伎座)