1. 用語
  2. 家の芸
  3. 新歌舞伎十八番

しんかぶきじゅうはちばん 新歌舞伎十八番

七代目團十郎は「歌舞伎十八番」に続く新たな「新歌舞伎十八番」の構想を立て、『虎の巻』『蓮生(れんしょう)物語』の二作を制定しましたが、後に九代目團十郎がその志を受け継いで完結させました。多くが能に取材した舞踊劇と、近代歴史劇としての活歴劇で構成されています。この時代になると「十八番」を得意芸と解釈しており、「新歌舞伎十八番」は十八演目ではなく三十二演目にのぼります(四十演目という説もあり)。
前二作のほかは『地震加藤』『真田張抜筒(さなだのはりぬきづつ)』『釣狐』『仲光(なかみつ)』『高時』『船弁慶』『山伏摂待(やまぶしせったい)』『高野物狂(こうやものぐるい)』『仲国』『素襖落(すおうおとし)』『女楠(おんなくすのき)』『鏡獅子』『腰越状(こしごえじょう)』『酒井の太鼓』『敷皮(しきがわ)問答』『吉備(きび)大臣』『重盛諫言(しげもりかんげん)』『荏柄(えがら)問答』『静法楽舞(しずかほうらくまい)』『伊勢三郎』『紅葉狩』『凧の為朝(たこのためとも)』『文覚(もんがく)勧進帳』『左小刀』『新七つ面』『二人袴(ににんばかま)』『向井将監(むかいしょうげん)』『吹取妻(ふきとりづま)』『時平の七笑(しへいのななわらい)』『大森彦七』。(金田栄一)

【写真上】
『高時』北条相模入道高時(中村橋之助) 平成16年9月歌舞伎座

【写真下】
『船弁慶』新中納言平知盛の霊(中村富十郎) 平成15年11月歌舞伎座


  1. 用語
  2. 家の芸
  3. 新歌舞伎十八番