こちょうのこうごう 胡蝶の香合

『青砥稿花紅彩画』に登場する。香合とは漆器や陶器のお香の容れ物のこと。この作品のほかには、現在上演される芝居には登場していない。盗人の弁天小僧が信田小太郎になりすまし、小太郎の許嫁千寿姫からだまし取る。弁天小僧が追手に囲まれて立腹を切るときに、懐から落とし滑川に落ちるが、大詰で青砥左衛門藤綱に川から拾いあげられる。(前川文子)

【写真】
『弁天娘女男白浪』青砥左衛門藤綱(中村梅玉) 平成25年4月歌舞伎座