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べんけいごうし・おきなごうし 弁慶格子・翁格子

ギンガムチェックのような、白地にグレーと黒の格子柄を「弁慶格子」と呼びます。この格子は、縦より横のほうが少し太くなっています。色味は、藍や柿色などがありますが、正式には黒系のみが「弁慶格子」とされ、色があるものは「藍弁慶」「柿弁慶」などと区別されています。
『夏祭浪花鑑~釣船三婦内』の団七九郎兵衛と一寸徳兵衛、『妹背山婦女庭訓~三笠山御殿』の鱶七、『義経千本桜~すし屋』のいがみの権太など、気性の強い役がこれを着ます(『夏祭浪花鑑』の団七の衣裳は一般にも流行し、団七縞とも呼ばれますが、歌舞伎の世界では「団七縞」とは呼びません)。
弁慶という名称が入っているため『勧進帳』の武蔵坊弁慶が着ていると思われがちですが、弁慶の衣裳は「翁格子(おきなごうし)」という名称の柄です。
チェックの柄なのに、どうして「縞(しま)」なのか?という疑問もあるかもしれません。「格子縞(こうしじま)」という言葉があるように、縞は筋を配した模様のことで、縦横に筋が配されているものも縞と呼びます。(田村民子)

【写真】
『義経千本桜』いがみの権太(尾上菊五郎) 平成26年11月歌舞伎座
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