おやこはいっせ 親子は一世

親と子の縁はこの世(現世)限りという意味。仏教では時間の区分を、前世、現世、来世の三世としていた。この考え方から夫婦は二世(現世と来世の縁)、主従は一番縁が深くて前世、現世、来世の三世に渡っての縁(えにし)を結ぶという考え方。親子は来世では会えないが、この世で添えない恋人たちは来世でまた会えると信じたので心中した。(小宮暁子)

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『伊賀越道中双六』沼津[左から]雲助平作(中村歌六)、呉服屋十兵衛(中村吉右衛門)の親子の別れ 平成22年9月新橋演舞場