ほぞのおがき 臍の緒書

臍の緒とはへその緒のこと。日本には子供が生まれた時のへその緒を大切に保管する習慣がある。血液検査、血液型などわからない昔には、子供の出自がわかるように出生年月日、出生地、親の名などを書いた書付を臍の緒といっしょに納めてその子の守りとした。人さらいなどが横行していた時代には、肌身離さず持っていた証拠の臍の緒書で、実の親子が対面するなどは芝居の良き題材となっている。大名とか、大家の子供が赤子の頃さらわれ、数十年の後に本当の身分がわかって立身出世、めでたしめでたしとなる演目もある。『与話情浮名横櫛』のお富は、臍の緒書によって、和泉屋の番頭多左衛門が実の兄だったことがわかる。(小宮暁子)