おいらん 花魁

太夫の俗称。吉原遊郭での姉女郎への呼称がはじまりだという。文字にすれば花のさきがけ、華麗である。女郎や遊女のなかでも地位の高い娼妓をさして特に花魁と呼んだ。最高級の花魁は容姿だけではなく、三曲など遊芸以外にも女のたしなみとして生け花、茶の湯はもちろん、和歌、俳諧の道なども心得ていなければならなかった。遊女屋から揚屋(茶屋)までの道中を花魁道中といい、芝居の『助六』の揚巻や『籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)』の道中が代表例である。(小宮暁子)

「傾城(けいせい)」については、歌舞伎の役柄>女方>傾城をご覧ください。

【写真】
『助六由縁江戸桜』三浦屋揚巻(中村雀右衛門) 平成29年3月歌舞伎座