京鹿子娘道成寺 キョウガノコムスメドウジョウジ

登場人物

主な登場人物

白拍子花子【しらびょうしはなこ】
白拍子は宴席などで歌や舞を披露する人のことで、男装した遊女が多かったとされる。かつて焼失した紀州・道成寺の釣鐘が再建され、その供養が営まれると聞いて道成寺までやって来た。所化たちに乞われるまま舞を披露することになるが、その正体は…。
大館左馬五郎【おおだてさまごろう】
演出によっては登場しないこともある。「押戻し」と呼ばれる役柄で、舞踊や所作事の幕切れで怨霊を鎮めにくる荒事の役。
所化【しょけ】
修行中の若い寺僧のこと。以前は2人だけだったが、現在は何人も登場する。登場時に「聞いたか聞いたか」「聞いたぞ聞いたぞ」というせりふを繰り返すため、通称「聞いたか坊主」。鐘の供養にかこつけて般若湯(酒)や天蓋(蛸肴)を持参するなど、修行に熱心とはいえない。
安珍【あんちん】
この舞踊には実際には登場しない。道成寺にまつわる「安珍清姫伝説」の主人公。奥州白河の僧で、たまたま宿を借りた家の娘・清姫に惚れられたが、修行の妨げになることから帰りに寄ると嘘をついて逃げ出し、その結果非業の最期を遂げた。
清姫【きよひめ】
この舞踊には実際には登場しない。「安珍清姫伝説」のヒロイン。かつて熊野周辺を支配した熊野国造(くまののくにのみやつこ)の一族・真砂の庄司の娘。安珍に一目ぼれしてしまい、その後を執念深く追い続けることになる。