勧進帳 カンジンチョウ

登場人物

人物関係図

人物相関図

主な登場人物

武蔵坊弁慶【むさしぼうべんけい】
京都・五条の橋で牛若丸(のちの源義経)と出会い、以来その忠実な家来になったといわれている。もとは比叡山の僧だったが、乱暴すぎて追い出された。強力無双の人物で絶対に泣かないという伝説もあるほどだが、歌舞伎ではこの話も含めだいたい泣いている。また通常はその強さがクローズアップされるが、この話では弁慶の知性や教養の高さが大きな鍵となる。
源義経【みなもとのよしつね】
源頼朝の異母弟で、平家討伐に大きな功績があったが、頼朝に疎まれいったん九州に落ち延び、さらに奥州の藤原秀衡(ふじわらのひでひら)を頼って移動中。弁慶ら家来たちは山伏姿だが、義経は強力(ごうりき、荷物持ち)に変装している。騒ぎを起こさずに関を通ろうとする弁慶の智略に感銘し、また自らの落魄の身を憂い涙を見せる。
富樫左衛門【とがしのさえもん】
加賀国・安宅(現在の石川県小松市)に設けられた関所を守る役人。義経主従を捕える命令を受けているため、弁慶らの一行を最初から怪しみ難題を投げかけたりするが、最後には主君を打ち据えてまで関を通ろうとする弁慶の姿に感動し、見逃すことにする。
亀井六郎・片岡八郎・駿河次郎【かめいろくろう・かたおかはちろう・するがのじろう】
いずれも「義経の四天王」と呼ばれる義経の忠実かつ有力な家来(あとの一人は伊勢三郎)。弁慶とともに山伏の姿になり、義経を守って行動している。当初は力任せに関を破ろうとするが、弁慶の作戦に任せ、関を通過した後弁慶が「延年の舞」を舞う間に、常陸坊とともに義経を守護しながら先を急ぐ。
常陸坊海尊【ひたちぼうかいそん】
義経の家来の僧形の武士で、弁慶や四天王とともに義経を守っている。家来の中では年配になる。言い伝えでは、義経の最期となった衣川の戦いでは不在だったため、生き延びたとされている。