名月八幡祭 メイゲツハチマンマツリ

登場人物

人物関係図

人物相関図

主な登場人物

縮屋新助【ちぢみやしんすけ】
越後から江戸に出て行商する縮売(ちぢみうり)。国元では母親と二人暮らし。真面目が取り柄の、純情で一途な若者。ひそかに憧れている美代吉に二十両ほど金を貸している。その美代吉から嬉しがらせを言われて舞い上がり、大きな犠牲を払って百両を用意し思いを遂げようとするが……。
美代吉【みよきち】
男勝りのきっぷの良さが売りの深川芸者。美人で売れっ子なのだが、自由奔放な性格、後先を考えない芸者気質で、周囲を困惑させる。たちの悪い情夫三次がついていることもあり、実は三百両もの借金で首がまわらない。とうとう八幡祭のために新調した衣裳の代金も用意できず、やけになって当座に必要な百両の借金を新助に頼む。
三次【さんじ】
船頭。美代吉の情夫。色男だが博打好きで、美代吉にたびたび金を無心している。
魚惣【うおそう】
深川の大きな魚屋の主人で、新助の得意客の一人。還暦を迎えたがまだまだ威勢が良い。八幡祭の大祭には赤尽くめの衣裳を着ようと意気込んでいる。越後に帰ろうとする新助を、せめて祭りを見物してから帰るよう引きとめたのが、予期せぬ悲劇につながってしまう。
藤岡慶十郎【ふじおかけいじゅうろう】
美代吉の贔屓客で大身の旗本。鷹揚で分別をわきまえた人物。美代吉がプライドから自分を頼ってこないことも知っており、手切れ金として百両を届けさせる。
およし【およし】
美代吉の母親で、娘を芸者に出して遊んで暮らしている。