名月八幡祭 メイゲツハチマンマツリ

作品の概要

執筆者 / 小宮暁子
演目名 名月八幡祭
作者 池田大伍
初演 1918(大正7)年8月東京・歌舞伎座
概要 池田大伍の諸作のなかでも「西郷と豚姫」とならんで上演頻度の高い作品だ。河竹黙阿弥の「八幡祭小望月賑(はちまんまつりよみやのにぎわい)」の改作だが、江戸時代の作品につきものの因果話をとりのぞき、事件を深川八幡の宵宮でなく祭り当日の一瞬にしぼりこんでいる。純情な田舎者新助と都会の奔放な芸者美代吉の生き方の違いを浮きぼりにする近代的戯曲に仕立て直したもので、18世紀フランスの作家プレヴォーの「マノン・レスコー」や、19世紀の作家メリメの「カルメン」などの影響が指摘される。初演の配役は縮屋新助が二代目市川左團次、美代吉が四代目澤村源之助、船頭三次が六代目市川寿美蔵(のちの三代目寿海)である。初代中村吉右衛門もこの縮屋新助を得意としていた。


●トップ画面・タイトル写真
[左から]芸者美代吉(中村芝雀)、縮屋新助(中村吉右衛門)、女房お竹(中村歌女之丞)、魚惣(中村歌六) 平成26年6月歌舞伎座

●ページ公開日 平成28年7月29日
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