鳴神 ナルカミ

登場人物

人物関係図

人物相関図

主な登場人物

鳴神上人【なるかみしょうにん】
超人的な力を持った高僧。戒壇建立を条件に天皇家に男子が生まれるよう祈祷し、無事男子が生まれたが、朝廷が約束を守らなかった(帝位を狙う早雲王子の策略によるもの)ことを怨んで、竜神を滝に封じ込め雨が降らないようにしてしまった。夫を失った悲しみから出家を願う美女の色香に迷い、ついには堕落してしまうが、美女の正体が雲の絶間姫で自分を最初からだますつもりだったと知ると、怒りのあまり雷神となって絶間姫を追う。
雲の絶間姫【くものたえまのひめ】
内裏一の美女と誉れ高く、陰陽師・安倍清行の愛弟子でもある才色兼備の女性。文屋豊秀と恋仲で、『毛抜』に登場する錦の前とは恋敵の間柄。豊秀との結婚を条件に、鳴神上人を籠絡し再び雨が降るようにする重大な役目を引き受ける。
黒雲坊・白雲坊【こくうんぼう・はくうんぼう】
ともに鳴神上人の弟子。師に忠実ではあるが、ちょっと不真面目なところがあり、雲の絶間姫が語る夫とのなれ初めの話を面白おかしく引き出す。
文屋豊秀【ぶんやのとよひで】
この場には登場しない。美男として知られる公家で、『毛抜』の主人公・粂寺弾正は家臣。この後の場に当たる『不動』は雲の絶間姫との婚礼の場面になる。
早雲王子【はやくものおうじ】
この場には登場しない。帝位を狙い策を弄するがいずれも失敗し、『不動』では万策尽きて文屋豊秀と雲の絶間姫の婚礼の場に乗り込んでひと暴れするが、最後は不動明王に調伏される。