桜姫東文章 サクラヒメアズマブンショウ

登場人物

人物関係図

人物相関図

主な登場人物

白菊丸【しらぎくまる】
清玄が修行僧だった頃に恋仲にあった稚児。互いの名を書いた香箱の蓋と箱を形見に心中を図るが、白菊丸は一足先に入水し、清玄は死に遅れてしまった。
桜姫【さくらひめ】
吉田家の息女。生まれつき左手が開かず、家宝「都鳥の一巻」が盗まれて家は取り潰しの危機にあり、清玄に出家を願い出る。しかし闇夜に自分を襲って子供を産ませた男・釣鐘権助と再会して心変わり。権助と夫婦になるが、権助に廓に売られ「風鈴お姫(ふうりんおひめ)」と名のる遊女になる。しかし清玄の幽霊につきまとわれて、客が付かず、権助のもとに戻される。
清玄【せいげん】
長谷寺の高僧。清玄の祈りによって桜姫の左手が開くが、その手に握られていた香箱の蓋から、桜姫を白菊丸の生まれ変わりと見定め、姫を追い求めて破滅していく。殺された後も、幽霊となって執念深く桜姫につきまとう。
釣鐘権助【つりがねごんすけ】
二の腕に釣鐘の刺青があることから「釣鐘」の異名をとる小悪党で、桜姫の運命を変えた男。もとは入間悪五郎の中間。桜姫と夫婦になるが、姫を女郎に売り飛ばす。実は盗賊信夫の惣太(しのぶのそうだ)で、吉田家から「都鳥の一巻」を盗み出し、桜姫の父・吉田少将と弟・梅若丸を殺した事実も判明する。
残月【ざんげつ】
長谷寺の役僧で清玄の弟子。清玄になりかわり出世しようと企んでいたが、長浦との不義を理由に追放され、岩淵の庵室で長浦と貧しい暮らしを送る。
長浦【ながうら】
桜姫に仕える局だったが、残月との不義が発覚して吉田家から追放された。
入間悪五郎【いるまあくごろう】
桜姫の元婚約者で、権助と通じて吉田家の乗っ取りを企む。姫の左手のこともあり一旦は諦めたが、未練がある。
松井源吾【まついげんご】
吉田家の家臣。悪五郎と手を組んで吉田家を乗っ取ろうとしている。
有明の仙太郎【ありあけのせんたろう】
鳶頭に身をやつしているが、実は吉田家の忠臣・粟津七郎(あわづのしちろう)。吉田家が取り潰された後に町家に下り、「都鳥の一巻」の探索とお家再興に尽力している。
葛飾のお十【かつしかのおじゅう】
有明の仙太郎の女房で、吉田家に仕える奴(やっこ)軍助の妹。桜姫が売り物にならないと権助のもとへ帰されると、その代わりとして売られていく。
松若丸【まつわかまる】
桜姫の弟。梅若丸とは双子。