伊勢音頭恋寝刃 イセオンドコイノネタバ

作品の概要

執筆者 / 飯塚美砂
演目名 伊勢音頭恋寝刃
作者 近松徳三(ちかまつとくそう 近松徳叟)
初演 1796(寛永8)年7月 大坂角の芝居
概要 かわら版や人の噂など、情報手段が限られていた江戸時代、歌舞伎芝居は事件や出来事、風俗や風習を人々に伝える重要なメディアであった。1796(寛永8)年、お伊勢参りで名高い伊勢古市(ふるいち)の遊郭油屋で、“古市十人斬り”といわれる事件が起きた。医師の孫福斎(まごふくいつき)が仲居ら2人を殺害、7人に怪我を負わせたのである。このニュースはすぐに各地につたえられ、伊勢や京大坂で芝居にしたてられた。この『伊勢音頭恋寝刃』もその一つで、近松徳三がわずか3日で書き上げた一夜漬けの“際物(きわもの)”である。上方系の演出のほか、大坂でこの初演を見た三代目坂東彦三郎が1803(享和3)年2月江戸河原崎座で演じ、以来三代目、五代目の尾上菊五郎、十五代目市村羽左衛門に伝えられた音羽屋型など、さまざまの演出がある。


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[左から]料理人喜助(中村梅玉)、福岡貢(片岡仁左衛門)、油屋お紺(中村時蔵) 平成18年4月歌舞伎座

●ページ公開日 平成27年10月2日
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