伊賀越道中双六~沼津 イガゴエドウチュウスゴロク~ヌマヅ

作品の概要

執筆者 / 橋本弘毅
演目名 伊賀越道中双六~沼津
作者 近松半二・近松加作(合作)
初演 人形浄瑠璃―1783(天明3)年4月 大坂・竹本座
歌舞伎―1783(天明3)年9月 大坂・中の芝居
概要 全十段の浄瑠璃作品。近松半二の最後の作品。1634(寛永11)年に起こった、日本の三大仇討のひとつ「伊賀上野の仇討」あるいは「鍵屋の辻の決闘」などと呼ばれる実際の事件を題材としている。発端の鎌倉から仇討が成就する伏見まで、東海道の双六を上がっていくように移っていく趣向となっている。1776(安永5)年に歌舞伎で初演された先行作『伊賀越乗掛合羽(いがごえのりかけがっぱ)』を脚色する形で作られた。上杉家の剣術指南役和田行家(わだゆきえ)が、正宗の名刀をめぐる争いから同じ家中の沢井股五郎に殺され、行家の息子志津馬(しずま)や娘婿となった唐木政右衛門(からきまさえもん)が、多くの人々の犠牲や苦難を伴いながら敵を討つまでを描いている。夫婦、親子、兄妹の情を断ち切り、艱難辛苦の末に大願を成就させる仇討物語の、「沼津」は脇筋にあたる。

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[左から]雲助平作(中村歌六)、呉服屋十兵衛(中村吉右衛門) 平成22年9月新橋演舞場

●ページ公開日 平成27年9月1日
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