天守物語 テンシュモノガタリ

作品の概要

執筆者 / 阿部さとみ
演目名 天守物語
作者 泉鏡花
初演 1951(昭和26)年10月 新橋演舞場(新派公演)
概要 泉鏡花が文芸誌「新小説」1917(大正6)年9月号に発表した戯曲を舞台化。わが国における耽美主義戯曲の最高峰と言われる。『老媼茶話』などの妖怪伝説に見られる姫路城天守閣に住む長壁姫の物語に材を得ている。作者存命中は上演されず、この作品を「上演してくれる人がいたら謝礼はいらぬ、こちらからお土産を贈るのだが」と語ったという。それほど上演はむずかしいと思われていたが、鏡花が没して12年後の1951(昭和26)年新橋演舞場の新派公演で初演された。花柳章太郎の富姫の演技、音楽にドビュッシーの「雲」を使うなど、それまでの新派とは違った斬新な舞台が絶賛されたという。歌舞伎では、1955(昭和30)年に六代目中村歌右衛門が自主公演で富姫を演じた後、歌舞伎座でも二度上演。坂田藤十郎も中村扇雀時代の1965(昭和40)年に演じている。
坂東玉三郎は1977(昭和52)年に日生劇場で初演し、以後再演を重ねて洗練した舞台を作り上げた。1999(平成11)年以降は歌舞伎として上演され、シネマ歌舞伎としても2012(平成24)年に公開された。同作品は新劇、オペラなどでも様々に取り上げられている。


●トップ画面・タイトル写真
[左から]天守夫人富姫(坂東玉三郎)、岩代国猪苗代亀ヶ城亀姫(中村勘太郎)、亀姫眷属茅野ヶ原の舌長姥(市川門之助) 平成21年7月歌舞伎座

●ページ公開日 平成28年7月29日
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