修禅寺物語 シュゼンジモノガタリ

登場人物

人物関係図

人物相関図

主な登場人物

夜叉王【やしゃおう】
都にまで名高い面作りの名人。50歳あまり。修禅寺に滞在している将軍頼家の顔を写して面を打つよう依頼されたが、何度作り直しても面が生きないため悩んで、完成品を渡すことができない。その理由は、思いもよらぬところにあった。
桂【かつら】
夜叉王の長女。20歳、独身。名声を好まず山に住んで仕事をする父と合わない。美しく気位が高く、将軍のそばに召されて愛されるような身になりたいと望んでいる。若狭局の名をもらい、ほぼその望みは叶うが……
楓【かえで】
夜叉王の次女。18歳、既婚。まじめで働き者。職人としてよいものを作りたいと思う父を気づかい、姉の激しい気質に心を痛めている。
春彦【はるひこ】
楓の夫。20歳あまり。面作りの仕事に誇りを持つ職人で、桂と意見が合わない。町へ用足しに行った帰り、頼家暗殺計画を聞いてしまう。
源頼家【みなもとのよりいえ】
鎌倉幕府二代将軍。23歳。生まれついてせっかちで、依頼した面を半年以上たっても完成させない夜叉王に腹を立て、試作品をむりやり召し上げ、桂も連れて行く。修禅寺へ帰る途中で桂と語らう言葉には情がこもっているが、頼家をつけ狙う者たちもいて……
下田五郎景安【しもだごろうかげやす】
頼家の忠実な家来。
金窪兵衛尉行親【かなくぼひょうえのじょうゆきちか】
鎌倉幕府に仕える武士。鎌倉から北条方の使として頼家のもとに来て、頼家が勝手に桂に名を与えたことを非難する。北条方の意向により、頼家を暗殺する機会を狙っている。