登場人物
人物関係図
主な登場人物
- 佐野次郎左衛門【さのじろうざえもん】
- 野州（やしゅう、現在の栃木県）佐野の豪商。純朴、誠実な人柄だが、父が人を殺した因果からか、顔に無数のあばたがある。故郷への土産話にするため見物に来た吉原で、偶然出会った八ツ橋に魂が抜けそうなほどに一目惚れして通い詰める。気持ちのいい遊びぶりで「佐野のお大尽」と呼ばれるほど評判になり、八ツ橋を身請けするつもりになり、有頂天だったが…
- 八ツ橋【やつはし】
- 吉原の妓楼兵庫屋の抱え女郎で、全盛を誇る花魁。清水三郎兵衛という武士の娘だが、父亡き後身売りを余儀なくされた。親切な次郎左衛門の身請け話をいったんは受けるが、そのことを情夫の栄之丞に責められ、やむなく次郎左衛門に愛想尽かしをする。
- 立花屋長兵衛【たちばなやちょうべえ】
- 吉原の引手茶屋立花屋の主人。悪質な客引きにだまされそうだった次郎左衛門を救い、八ツ橋目当てに登楼するようになってからも親切に接する。
- おきつ【おきつ】
- 立花屋の女房。夫と同様に次郎左衛門を丁重にもてなす。
- 治六【じろく】
- 次郎左衛門の下男で、朴訥で正直な男。
- 繁山栄之丞【しげやまえいのじょう】
- 大音寺前（現在の台東区竜泉あたり）に住む浪人。八ツ橋が身売りする前から将来を誓い合った仲だが、生活は八ツ橋に頼りきり。権八から八ツ橋が身請けされそうだと聞き、怒って八ツ橋の部屋まで乗り込んで来る。
- 釣鐘権八【つりがねごんぱち】
- 以前は八ツ橋の父の中間（ちゅうげん）だったが、八ツ橋が身売りする時に親代わりになったのを恩に着せ、金を巻き上げる遊び人。立花屋に金の融通を断られた腹いせと、八ツ橋が身請けされると金づるがなくなる危機感から、栄之丞をそそのかす。
- 九重【ここのえ】
- 兵庫屋の花魁で、八ツ橋の妹分。
- 七越【ななこし】
- 兵庫屋の花魁。
- 初菊【はつぎく】
- 兵庫屋の花魁。
- 丹兵衛、丈助【たんべえ、じょうすけ】
- 次郎左衛門の商売仲間。次郎左衛門に同行して吉原を訪れる。
