助六由縁江戸桜 スケロクユカリノエドザクラ

作品の概要

執筆者 / 橋本弘毅
演目名 助六由縁江戸桜
作者 不詳
初演 1713(正徳3)年4月 江戸・山村座(『花館愛護桜』)
概要 元禄時代に大坂で起きた万屋助六(よろずやすけろく)と遊女揚巻の心中事件は、浄瑠璃や芝居にさまざまに脚色されて流行した。これを二代目團十郎がとり入れて初めて演じたのが上記の初演で、團十郎が荒事だけでなく和事風の男伊達を演じたのが画期的だと好評を得た。これを原型として、江戸末期に七代目市川團十郎が洗い上げて現行の演出を確立し、「歌舞伎十八番」のひとつとした。いまも上演回数の多い人気演目。
江戸っ子の代表で美男子の助六と、助六への強い想いを堂々と語る吉原の花魁揚巻、その二人の間に割って入ろうとする憎まれ役の意休を中心に展開される。舞台全体に溢れる華やかな吉原の雰囲気や江戸の粋(いき)、バラエティに富んだ役々が楽しい。
派生作品として、河竹黙阿弥が四代目市川小團次に似合うように書き替えた『黒手組曲輪達引(くろてぐみくるわのたてひき)』がある。助六の出端だけを舞踊として上演することもある。

●トップページ・タイトル写真
[左から]花川戸助六実は曽我五郎(市川海老蔵)、三浦屋揚巻(中村福助)、髭の意休実は伊賀平内左衛門(中村歌六) 平成22年5月新橋演舞場

●ページ公開日  平成27年4月23日
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