紅葉狩 モミジガリ

作品の概要

執筆者 / 橋本弘毅
演目名 紅葉狩
作者 作詞=河竹黙阿弥 作曲=六代目岸澤式佐・鶴澤安太郎・三代目杵屋正次郎 振付=九代目市川團十郎
初演 1887(明治20)年10月 東京・新富座
概要 能『紅葉狩』を題材とする、常磐津・義太夫・長唄掛け合いの大変に豪華な舞踊劇。九代目市川團十郎が制定した「新歌舞伎十八番」のひとつにも選ばれている。信州に伝わる「紅葉伝説」という逸話を劇化した作品。平維茂の烏帽子(えぼし)に狩衣(かりぎぬ)という扮装は史実に基づいたもので、当時九代目團十郎が積極的に推進した時代考証を重んじる活歴物の成果である。
初演の前年明治19年に書かれた「北向山霊験記戸隠山鬼女紅葉退治之傳全伝説」によれば、戸隠に鬼女が現われたのは平安時代半ば。もとは紅葉という名の美女で、清和源氏の祖源経基の子を産んだとされる。鬼女となって徒党を組み、維茂に討たれたのが平将門の乱の30年後の969(安和2)年とか。


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[左から]戸隠山の鬼女(市川海老蔵)、余吾将軍平維茂(尾上松緑) 平成18年12月歌舞伎座

●ページ公開日 平成27年3月18日
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