与話情浮名横櫛 ヨワナサケウキナノヨコグシ

登場人物

人物関係図

人物相関図

主な登場人物

お富【おとみ】
もとは深川の芸者で、木更津で勢力を誇る親分・赤間源左衛門の妾となった。たまたま出かけた木更津の海岸で与三郎に一目惚れ。しかし与三郎が赤間の子分たちに捕まり、お富も身を投げたのだが、偶然助けられ、鎌倉で妾ということになって暮らしている。
伊豆屋与三郎【いずやよさぶろう】
江戸の小間物屋・伊豆屋の養子で跡取り息子だが、実子の弟に家督を継がせようと、わざと遊びまわって身を持ち崩している。木更津で偶然出会ったお富に一目惚れし、忍んで逢引をするようになったが、赤間源左衛門に見つかり、全身に34ヶ所の傷を負う。
蝙蝠の安五郎【こうもりのやすごろう】
右頬に蝙蝠の入れ墨があることから「蝙蝠」の異名を持つ小悪党で、「蝙蝠安」とも呼ばれる。与三郎の傷をネタに、お富から金をもらおうとゆすりにくる。父親が和泉屋に出入りしていた関係で、その大番頭である多左衛門には強く出られない。
和泉屋多左衛門【いずみやたざえもん】
鎌倉の大きな質屋和泉屋の一番番頭。身投げをしたお富を偶然救出し、妾ということにして面倒を見ている。お富と男女の仲になっていないのは、実はお富は生き別れになっていた実の妹だったから。蝙蝠安や与三郎に対して臆するところを見せない懐の深い人物。
藤八【とうはち】
和泉屋の二番番頭。お富に惚れていて、雨宿りにかこつけて口説こうとする。そこへゆすりにあらわれた蝙蝠安と与三郎を、粋がって追い返そうとして金を渡すが、金が少なすぎて話をややこしくしてしまう。今では話の中であまり意味を持たないが、海松杭の松五郎とは兄弟。