操り三番叟 アヤツリサンバソウ

作品の概要

執筆者 / 阿部さとみ
演目名 操り三番叟
作者 作詞:篠田瑳助  作曲:杵屋弥十郎
初演 1853(嘉永6)年 江戸・河原崎座
概要 上から糸で吊って操る操り人形をモチーフにした三番叟。日本芸能の根元ともいえる三番叟を娯楽味たっぷりにアレンジした作。操り人形は江戸時代に子どもの玩具として流行り、中でも人気を得たのが三番叟のキャラクターだった。その人気の玩具をモチーフに、人間が人形になりきって踊るのが特徴。
1852(嘉永5)年、二代目嵐璃珏が大坂筑後芝居で「初櫓豊歳三番叟(はつやぐらたねまきさんばそう)」の題名で操り三番叟を踊って好評を博した。それを改訂し、翌年の江戸初下りの御目見得として踊ったのが本曲「柳糸引御攝(やなぎのいとひくやごひいき)」である。初演は、翁が初代坂東しうか、千歳が初代坂東竹三郎、三番叟に二代目嵐離珏。翁と千歳はゼンマイ人形の振りだったが、後に五代目尾上菊五郎が人間の振りに改訂した。その後、七代目坂東三津五郎、初代市川猿翁(二代目市川猿之助)、三代目實川延若などが得意とし、近年では、市川染五郎や中村勘九郎が数多く手がけ、好評を得ている。


●トップ画面・タイトル写真
[左から]三番叟(市川染五郎)、後見(尾上松也) 平成28年4月歌舞伎座

●ページ公開日 平成28年7月29日
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公演データ