1. 用語
  2. 習俗と遊里
  3. 習俗
  4. 紙子・紙衣[習俗]

かみこ 紙子・紙衣[習俗]

貧しくて布の着物をきられず紙(多くは手紙)を貼り合わせて着ているのが紙子。紙衣とも書く。貧しさや、零落した身の上を表現するのに用いる。『袖萩祭文』では、親に背いて敵方の男に走った袖萩が子供の死に目を泣きつぶして盲目となり雪の降るなか幼い娘と親の家までたどり着く。しかし家に入れず庭木戸の外で三味線をひきながら祭文を唄う時、紙子姿があわれさを強調する。上方歌舞伎では金持ちの息子が放蕩のはて一文無しとなったやつれ果てた姿を表わす。入れ上げた傾城からきた手紙を貼り合わせた紙子を着て出るのが『廓文章』の主人公藤屋伊左衛門。通常は紙子の衣裳も絹地で仕立てるが、坂田藤十郎は『夕霧阿波鳴門』や『夕霧名残の正月』の伊左衛門で本物の和紙で作った紙子を着て舞台を勤めた。(小宮暁子)

歌舞伎の衣裳>衣裳の柄>紙衣[衣裳] もご参照ください。

【写真】
『嫗山姥』荻野屋八重桐(中村時蔵) 平成20年11月歌舞伎座
  1. 用語
  2. 習俗と遊里
  3. 習俗
  4. 紙子・紙衣[習俗]